ハワイ報知百年史

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以前、古い方の「布哇文庫」運営時からお世話になっておりました鈴木啓さんに「ハワイ報知百年史」を頂きました。鈴木さんには日系人関係の書、祖父の短歌活動などに関する情報を多くいただいており、本当にありがたく思っております。

・「ハワイ報知百年史」

百年・・。百年ですよ。ページをめくるとこの百年という単位がいかに長く、大きな社会変動を伴うものかを実感します。この数十年だけをとってもインターネットの普及、新聞の死活問題などなど、大きな波が押し寄せてきていたのです。それが百年という単位で見てみると、今はすっかり旅行先、留学先、ビジネスの場としてお馴染みになったハワイが遠い場所であったかを改めて感じさせてくれます。

最近ではハワイの日本語学校の問題を主軸にサイトの記事を書かせていただいていましたがら、この「ハワイ報知百年史」でその問題の大きさ、影響度の大きさを再認識することが出来ました。

「あ、まずい」と思ったのはマイルス福永事件です。これも日系人社会を大きく揺るがせた事件、ハワイの「正義」を考えるときには忘れてはならない事件でしたのに。先日のファーリントン知事の評伝をもう一度ひっぱりだしてきて記載を探したのですが、関連する記述が見当たりません!。「学校問題」については詳細な記載があるのに・・・。ハワイの日系人の歴史を学ぶ方々は決して無視できないこの事件ですが、誰かが語り続けなければいけません。

過去のハワイ報知社の記念誌、刊行物は日布時事社へのライバル意識があらわされており、それが今の読者に興味深い印象を与えていたのですが、今は新聞全体が厳しい環境下唯一残る邦字新聞社として、日系社会の歴史を語り継ぐ数少ない媒体という意識を(先の刊行物である「ハワイ日系パイオニアズ」でも感じたことですが)この「ハワイ報知百年史」に強く感じました。

巻末近くの「報知百年を支えた人たち」にも参考になります。日布時事関係者の名前もあることから上記の姿勢を再確認できます。

あ、渡辺礼三さんのお名前が・・・。かなり前のことですが、ハワイ報知社に刊行物を購入にお邪魔したことがあり、その中の一冊に「ハワイの日本人日系人の歴史(上)」がありました。上巻しかなかったことに不思議そうな表情を浮かべてしまったのでしょう。受付の方が残念そうに下巻は未完のままで亡くなったのですよ、と語られたのを思い出します。この本には付箋がいっぱい付けて読みました。今でも自分の中ではもっとも影響を受けた本の一冊です。下巻が刊行されなかったこと、本当に残念でなりません。その渡辺さんの著作も含まれた「主要参考文献」ですが、未読が多いことに情けなくなってきました。

・「アロハ年鑑-ハワイのすべて-第15版」

うわああ。懐かしい。アロハ年鑑もサイトを始めたときに静岡新聞社まで購入しに行ったことを思い出します。そうとう前ですね。サブタイトルに「ハワイのすべて」とありますが、コンパクトでありながら歴史経済など情報満載でありながら活字も大きく読みやすい。昔の版が本棚のどこかに有るのですが、「潮音詩社」も掲載されていて・・・わあ。(前買った版ではどうだったか記憶にないんですよ)

最近、ハワイ報知社関係であるニュースに接し驚いたことがあります。最新式の印刷機を導入したというニュースでした。

Hawaii Hochi Picks JETLEADER 1500 for Printing Needs

JETLEADER 1500がどういうものかというと・・・。「日本初のデジタル印刷機による新聞発行システム」で、すでにウォールストリートジャーナルアジア版がこのシステムで稼働済みとのこと。自由度が高く、少部部数のものを多品種発行発行することに低コストで対応可能とのことです。新聞業界にはこれからも難関が待ち構えているかと思いますが、ハワイ報知社の責めの姿勢を感じた記事でした。

その他、いくつか無料誌なども鈴木さんに頂きました。ありがとうございます。

・「Lighthouse Hawaii -ハワイ在住者のための生活情報誌-」

初めて目にする雑誌で仰天しました。大版でカラー、見やすいレイアウト。これが無料誌!。うーん。凄いですね。ハワイで新生活を始める新移民の家族がターゲットとお見受けしましたが。新鮮です。

頂いたのが8/16号で終戦記念日のための「戦地で闘い、偏見と差別とも闘った日系人の戦争の歴史」がうれしく。先日日本で放送された関連の番組を思い出しながら拝読しました。MISに勤務した二系兵の情報はまだこれから明らかになることが多いかもしれませんが、証言すべき方が減ってきていますものね。

そのほかの記事では育児、進学関係の記事の充実に驚愕。これだけの情報量があればホノルル・マガジン購読しなくても良いのかもなんて変な感想を抱いてしまいました。

「NIKKAN サン」誌

2003年創刊とのことですが、これも知りませんでした。広告主の種類は昔から変わらないなあ、と思いますが、日本発のスポーツ、芸能その他の記事が!。いやあ、インターネットとかと比べたらあれかもしれませんが、紙の媒体でこの時差の少なさはすごいなあと。

その他「Hawaiist」等もいただきました。いやー。レイアウトとか記事の内容を見ると、日本でお金を出してハワイ情報誌を読むのがばからしくなっちゃうかも。(なんて、怒られてしまうかな)

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