Albert F. Juddの手紙

ちょっと手に余る物を入手してしまいました。以前Albert F. Judd親子にからめてマーク・トウェインの手紙を紹介しましたが、今回はAlbert F. Judd自身の手紙の紹介です。しかも実物。本人手書きのものです。

（ヘンリー・ジャッドの話題を続けようと思っていましたが、これもあって、続きは来年に）

この手紙、オークションサイトに出品されていました。出品主はコロラド州の方で切手など歴史的な郵便物に詳しい方です。したがってその方の出品物は昔の郵便物などが中心。その中の一つとしてこの手紙が有りました。

1906年7月30日の消印でフィリピン、マニラで投函された物。ホノルルには8月28日に到着しています。宛先はMrs.Albert Juddとなっていますから留守宅を預かる奥さんに宛てた手紙ですね。１００年前の手紙にしては非常に状態が良く感じます。

約一か月後にハワイに届いています。

もちろん、手紙も同封されていましたが、当然、私信なので、そのイメージをここに挙げるわけにはいきません。三枚のレター用紙にみっちりと裏まで使って書き込まれているのです。想像以上の情報量で圧倒されました。せいぜい便箋一枚の片面程度と考えていたので・・・）

以前、書かせて頂きましたが、Albert F. Juddはフィリピンからの労働力移入を図っており、この時期のフィリピン行はそれが目的でした。（加えて彼の民族学的な研究心が動機にあったかもしれません）

英語を読むのは活字であっても苦労が多いのに手書きとなると、自分には荷が重いことです。本来は遺族の方、あるいはしかるべき場所（ビショップ博物館やハワイ大学などの図書館）に有るべきものかもしれません。ただでさえ、このサイトでジャッド家などを取り上げていくことは、一種のストーカー行為を働いているような気持になっていました。刊行物を追うだけであればある程度、歴史上の人物であり、公の仕事をしていたということからも許される部分があると思いますが、私信となるとちょっと逸脱しているような。（出品者に確認しましたが、ハワイ居住者から入手されたのだ、とのこと。おそらくはちゃんと家族の手には渡ったのだと思うのですが・・・）

ただ、ハワイの移民史に関わる箇所でもあり、浅海の好奇心が満たされたら、しかるべきところに寄贈をしたく考えています。（幸い、出品者が手紙の概要などを簡単なメモにしてくれており、それを手がかりに追ってみようと思います。もし、歴史に関わると思われる箇所がありましたら、プライバシーにかかわらない範囲でご報告を。）

今判る範囲で言えるのは以下のことだけです。

・マニラでも幅広い交流の場があったこと。

・ここでもイェール大学への愛校精神が発揮されていること。

・家族思いの良い夫、父であること。（自分はジャッド家の人々に対し、マイナスの出発点、思い込みから人物を観ていましたが、いろいろ調べるうちに好意的な見方をするようになってきました。また、ころっと変わるかもしれませんが、彼らはしかるべき場所で然るべき仕事を行ってきたのだ、という気持ちでいます。）

さて、これではあまりにも中身が無いので、彼のフィリピン行に関わる新聞記事をディジタル・ライブラリから検索、抜き出してみました。全部の記事ではありませんが、時系列で並べてみます。関連する記事を赤枠で囲み、また、時代背景をうかがわせる記事がある場合は青い線で囲ってみました。大きなサイズになりますが、興味ある方は追ってみてください。なお、ハワイは各国移民の文化が絡み合い、それが魅力となっております。ここで過去の歴史をどうこういうことで民族、文化の優劣論争に火をつける意図はありません。それは非常におろかなことだと考えます。ここはあくまでもそういう歴史、見方があったことを紹介することを目的としています。（こういうライブラリが自由に検索できるというのはなんやかんや言ってもアメリカの凄いところで・・・。そこから画像をとってしまう僕のような使い方は誤っていると思います。）。ご興味ある方は上記リンクからJudd manila labor等のキーワードで検索してみて下さい。）

The Hawaiian star. (Honolulu [Oahu]), June 16, 1906, SECOND EDITION, Page THREE