境界の民族誌―多民族社会ハワイにおけるジャパニーズのエスニシティ
本書はタイトルも体裁も学術論文。価格も税別で5000円なので、なかなか手が出ないかもしれません。でも、書店で手にとっていただくと、著者の出会ったハワイの若者の描写が論文と思えぬほど活き活きとしたものになっていることに気づかれるかと思います。自分はこれが新鮮に思えました。
なにしろ、著者もこのように書いているのです。
「本書は、誤解を恐れずにいえば、わたしがその『パラダイス』で暮らすジャパニーズやパートジャパニーズの若者たちと一緒になって徹底的に『遊ぶ』こことを通じて垣間見た、ハワイの他民族社会についての『資料記録』である」
二世、三世とはまた異なる視点で日本との関係を考える若い日系人世代の登場です。僕も本書を手にしたばかり。読み終えましたらまた触れさせてください。