ドット・コム・ラヴァーズ

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ドット・コム・ラヴァーズ―ネットで出会うアメリカの女と男 (中公新書 (1954))

6月の刊行ですから新刊とは言えませんが、最近まで内容のことよく知らなかったので。本書もハワイ本とは言えないのですが、現代のハワイライフを知るためのかっこうの参考書となるでしょう。

・著者のブログ:Dot Com Lovers
 (僕も週刊朝日の記事であわてて本書を買った人間の一人。このブログでも記事掲載で急速に売り上げが伸びたことに触れられています)

著者はハワイ大学のアメリカ研究学部教授。本書中でも触れられていますが、クラシック音楽受容からアジア人、アジア系アメリカ人を考察した論文を出版されています。

Musicians from a Different Shore: Asians and Asian Americans in Classical Music

本書はサバティカルの期間にニューヨークに滞在中にインターネットのデート・サイトで出会った男たちを描写、また、ハワイでの経験もまとめており、それぞれの社会の相違を明らかにしようとしています。

僕はまだ第四章の途中までしか読んでおらず、ハワイに舞台が移る第五章まで到達していませんが、いや、楽しんで読んでいます。かなり下卑た好奇心があったことは否定しませんが、ほんとう、読んでいて愉快ですね。著者の描写するニューヨークでの他人との距離感は、他のニューヨーク生活をテーマとしたエッセイ、例えば岡田 光世さんの「ニューヨークのとけない魔法」「ニューヨークの魔法は続く」で描写されるそれに近いように思われます。その中で出会う男性のエピソードはまるで、そうだな、テレビドラマで例えて申し訳ありませんが「セックス・アンド・シティー」の世界を連想させます。

著者の筆致は率直でユーモラス、著者のエッセイを、たとえハワイとは関係なくとも読んでみたいと思いました。(本書を読み終えたら、また感想を書かせてください。)

本書を書くことを著者に勧めたのが「ハワイの歴史と文化」の矢口 祐人さん、そういえば「現代アメリカのキーワード」の共著者でしたね。

これも本書中に触れられるのですが、アメリカの白人に観られるオリエンタル女性への幻想、(或る意味、フェチの一種かな)を考察したという以下の著書もあります。翻訳されないかな。(ごめんなさい、ここで書いた紹介は嘘です。あま紹介文をよく読まないで思い込みで書いてしまいました。東洋文化の研究、紹介を行ってきたアメリカ白人女性の系譜を紹介するものとのこと。詳しくは著者のブログを参照ください。申し訳ありません。)

Embracing the East: White Women and American Orientalism

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