投降―比島血戦とハワイ収容所

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投降―比島血戦とハワイ収容所 (光人社ノンフィクション文庫 578)

ハワイと直球で結びついている本ではないですが。

本書は南太平洋戦線でアメリカ軍に投降、ハワイの捕虜収容所で日本軍へのビラ作成に協力された方の回想録です。なにしろ塀の中での体験ですからハワイに関する記述は無いと言っても良いでしょう。著者の記憶は、特にハワイでのそれはかなりあいまいであるようです。とはいっても収容所で出会うアメリカの豊かさと鷹揚さに戸惑う著者の気持ちは新鮮ですし、収容所での各種人間像の描き分けも、なるほど違う環境、価値観に出会うとこうなるのであろうと思わせます。

同じハワイの捕虜収容所での体験を回想したものとしれは上前淳一郎著 「太平洋の生還者 (文春文庫 248-1)」があります。ビラ作成にしても当時の邦字新聞社まで出向いたりと、本書よりは具体的、詳細な内容になっていたと思いますが、本書も、ある意味、第二次世界大戦時に身をおいた若者の青春記として著者の感情にシンパシーを強く感じました。

また、思うのですが、当時のアメリカの捕虜、帰還兵の扱いを読むと以降のベトナム、イラク戦争のそれとはまったく異なるんですね。戦争に対する国民の考え方もあったのでしょうが、実際、アメリカは第二次世界大戦前後のほうが豊かだったのだ、と再認識しました。

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