HAWAIIAN TALES

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どうしたことか、ハワイ行きを前に体調が最悪に・・。

咳が止まらぬ、目は霞む・・。老眼?で目の調整機能が衰えてきていたのは確かだったけど、最近は特に酷い。メタボ対策で歩くようにしていたのを今度の土日は引きこもって寝ているけど、どうもいけません。だいじょぶだろうか、ハワイ行き。パッキングも一切していません。やばいぞ。

これを機会に過去の書き込みのフォローアップを。以前、ニイハウ島事件のことを書きました。この事件についてはもちろん日本でも本が出ていますが、洋書で触れられることが多いのが「Niihau Incident」。この本の著者、Allan Beekmanはハワイに長く住んでおられ、日本語も流暢とのこと。「Hawaiian Tales」という本も上梓しています。

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hawaiian-tales「Hawaiian Tales」は短編集。すべてフィクションで、タイトルのとおりホワイを舞台に、そして多くが日系人を主人公に、あるいは絡めたバラエティに富んだ11の物語が展開します。舞台は1910年から1950年、つまり戦前から終戦後の約40年が背景に。バラエティに富みすぎて全編を通してのテーマを感じるまでは至りませんでしたが、それはまだ僕が数編しか読んでいないせいかもしれません。いずれにせよ、Allan Beekmanさんのハワイ、そして日系人への気持ちを知るには良い一冊と感じました。amazonで買うというわけにはいきませんが、「Niihau Incident」を読まれて著者に興味を持たれた方がいらしたら、ぜひ読んでみてください。

一作目の「Ordeal by Fire」は1900年のチャイナタウンを消失させたホノルルの大火事が舞台。日系人相手の商売を行っていた父親がこの火事を機会に新しい世代、軍事基地の姿を見せ始めたハワイ、そこに生きようとする自分を意識する物語です。(と、思います)

五作目の「No Place Beneath the Rising Sun」は真珠湾攻撃直前のホノルルが舞台。ある日系人家族。母親は日本人であることを意識、子供達に日本人であることを忘れさせず、日本語学校に積極的に通わせようとします。父親はあまり日本語が得意ではなく、母親の気持ちに戸惑いを。双子の兄妹はくったくなく、無邪気に日本語学校にかようことも遊びの一つと考えていました。しかし、その二人も緊張を増す日米関係に自らの「ナショナリティ」を意識するようになります。そして、真珠湾攻撃。この一家に思わぬ悲劇が・・・。

この物語には特定のモデルはいないそうですが、以前日本語学校の教師であった奥様、タケさん(Take Bookman)さんの体験が色濃く反映されているそうで、一種の共作だと著者は書いています。著者紹介によればタケさんはホノルル生まれ。東京の青山学院で教育を受けたのち、1941年12月7日まで日本語学校の教職にあったそうです。本書の刊行時は半リタイヤ状態ながらも翻訳業を行っていたとか。

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表紙に小さく「犬神」という漢字が読めますよね。これは中の一編「Dog Spirit」からのもので、オカルトっぽい味付けのミステリーになっています。

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