2004年、ABEBOOKS経由でコネチカット州の古書店から以下の本を入手しています。
本の説明には以下のようにありました。
Judd, Laura Fish, 1804-1872. Honolulu: Sketches of the Life, Social, Political and Religious, in the Hawaiian Islands from 1828 to 1861. With a Supplementary Sketch of Events to the Present Time. (1880). Honolulu: Honolulu Star-Bulletin, 1928. photo (portrait), index, xii, 209p. Burgundy cloth. 25cm. Lacks front free endpaper (a torn portion laid in, bearing a gift inscription from what may be a descendant). Later owner’s name on title-page. Head of backstrip frayed and worn. Contents good. Reprint of the 1880 edition.
カバーの無いジャッド家のハワイ来布100周年を記念したこのリプリントは実はそれほど珍しくなくて、カバー有りのものこそ少し高値の古書価ですが、状態のあまり良くない本書は比較的安価でした。
入手してみると説明のとおり見返し部分がちぎれており、もとは見返しだったであろう紙片が挟み込まれていました。
問題はこのため書きというか献本の銘で、たしかにジャッド家の一員から送られていることと「aloha」だけは判るのですが、他が読めなくて・・・。上記の説明でも「恐らく著者の末裔からの」とあいまいです。
活字英文を読むのでさえ一苦労の僕なので、しばらくほったらかしにしていましたが、時間を掛けて読み解きました。たぶん、以下のように記されています。
To Bishop Hugh L.Burleson
with the sincere “aloha” of
Lawrence and Florence Judd
Honolulu ,T.H- 1929
つまり、今まで話題にしてきた準州知事ローレンス・ジャッドからの献本でしょう。1929年と言えば彼が知事になった年ですが、さて、これが書かれた時は知事であったかどうか。
知事時代の彼のサインとされる画像がありますので、比較のためにお見せしましょう。
専門家ではないですが、似ていますでしょ。先の「T.H」は「Territory of Hawaii」の意ですね。先のFlorenceは当時の知事夫人です。
さて、ここで話題にしたいのは送られた「Hugh L.Burleson」という人物ですが、調べてみるとEpiscopal Bishop of south dakota。(サウスダコタ州の監督派ビショップ)で有り、著作も何冊か有る人物です。
さらに調べてみると1929年にハワイを訪れており、その時に彼から息子に宛てた手紙がAugustana College – Center for Western Studiesに保管されているようです。読めるのであれば読んでみたいのですが・・・。その時に贈られた本なのでしょうね。
Augustana College Center for Western Studies
調べていてまた興味深いのか、この方の縁者(お孫さん?)と思える方が日本(アジアを含む)とアメリカの架け橋になられているのです。
詳しくは「The Making of a Pacific Citizen」という書のサイトを参照下さい。amazonでも取り扱っているので入手したいと考えているのですが。
「The Making of a Pacific Citizen」
著者のHugh L.Burleson はサウス・ダコタの1927年生まれ、戦後日本に駐在、日本語を学び日米間の架け橋となる。写真にあるとおり日本人と結婚され(惜しくも2001年に亡くなられています)、公職引退後もアメリカ、日本、アジアの交流に尽くされ、八尾市とベルビュー市の姉妹都市の仲立ちをされているようです。
「姉妹都市提携40周年記念 第17回八尾市親善訪問団を派遣」
ただ、大変惜しまれることに今年、亡くなられていたようです。もう少し早く気が付けば良かった・・・。
「The Bellevue Sister Cities Association Newsletters Summer 2014」The Bellevue Sister Cities Association から
また、著者についてはもっと詳しい記事、インタビューが有りますのでリンクさせてください。
「Bellevue people: Hugh Burleson, a master of U.S./Japan relations」The Bellevue Reporter紙2011年9月29日の記事から
「HUGH BURLESON interview」The Association for Diplomatic Studies and Training Foreign Affairs Oral History Projectから
思うところ沢山あるのですが、ちょっと長くなったので後日にします。縁あってアルウィンさんに関係する記事の後に掲載出来て感慨深いものがあります。