「尊厳の芸術展」に足を運びました。
入場したとたん、胸が一杯になってしまいました。展示物それぞれから囁き声が聞こえてくるようで。もちろん、事前にいろいろな情報を得て、また解説やガイドブックを目にしているからそう感じるのであって、普通に我が家に、しかも奥にしまいこまれていたら同じように感じることができていたか。
本当に有難いことです。説明によればNHKのクローズアップ現代で紹介されて以来、日本での展示開催を求める声が多く寄せられたのだとか。多くの方が同じように感じられていたのですね。
展示には同タイトルの書物も使用されていました。やはり欲しくなりますね。全作品が今回の展示で公開されているわけではないでしょうし。
フラッシュをたかなければ展示物の撮影が許されていたようですが、シャッター音が気になって遠慮しました。無料の展示なのに数ページに及ぶガイドブックも配布されており、有難く思いました。
展示作の中で一名だけ僕も名前を知るアーティストの作品がありました。ジミー・ツトム・ミリキタニさん。あまり聴かないお名前なのですぐに思い当たりましたが、ドキュメンタリー「ミリキタニの猫」で知られる画家、ミリキタニさんですね。展示されていた作品名は「ツゥールレイク収容所」。
http://www.thecatsofmirikitani.com/index.htm
ミリキタニさんはまた特別で、多くの方は収容所の生活を語ろうとしなかったといいます。
説明にもありましたが収容所での生活を写したフィルム、写真だけでは本当のところは見えてこない。経験者もあまり多くを語ろうとしてこなかった。その中で、歴史の声を、作品を通して耳を傾ける機会を頂けて本当に幸せでした。