ムック「ハワイ本アオフ最新２００９」を見ていましたらクラロア・ランチが比較的大きく紹介されていました。そしてアイテムとしてランチの伝説、歴史を紹介するDVDが売られているとあるではありませんか？。欲しい！真剣にそう、思いました。ムックの読者プレゼントにもなっていましたので、応募も考えています。（なんてね、面倒くさがりなんできっと忘れてしまうのでしょうけど）
僕がクアロア・ランチに関心を持ち始めたときはまだ観光目的の場所としてはあまりメジャーではありませんでしたね。でも、映画ロケ地として有名になって、またアクティビティーのメニューが拡充されて魅力的な場所に生まれ変わりました。
僕が興味あるのは、ひつこいようですが、この地がドクター・ジャッド（Gerrit P.Judd）ゆかりの地であるためです。ムックで紹介されたDVDにはドクター・ジャッドの顔写真もあしらわれているようで、僕の物欲を誘います。日本からも注文出来ればうれしいのですが。
このクラロア・ランチの土地は1848-50年における「グレート・マヘレ」においてカメハメハ三世が自らに割譲した土地のうち６３５エーカーをドクター・ジャッドに売ったものを基礎としています。その土地で１８６３年に砂糖キビ耕地を息子、チャールズ・ヘイスティング・ジャッドと娘婿に共同経営させました。（チャールズ・ジャッドはカラカウア王の随行で日本を訪問、明治天皇に拝謁したことがあります）
しかしながら南北戦争終結による砂糖の価格暴落、もともと土地が砂糖キビ耕作に向いていなかったこと、ドクター・ジャッドの孫の事故死などが重なり、プランテーション事業から撤退します。
現在はジャッドの血をひくモーガン家がランチを運営しています。
「ハワイで徹底大捜索！教えてもっとお金持ち 」というバラエティー番組が2003/03/09 後01:55～後03:55 テレビ朝日系列で放映されました。その時、モーガン家も題材になり、日本から持ち帰った日本刀（もったいないことにボロボロになっていた）やらクアロア・ランチの見所などが紹介されました。このとき、登場したのが、たしか今の当主のジョン・モーガンさん。（録画していないので、記憶があいまいです）
録画は忘れましたが、次の画面だけは残しました。（自分の性格が・・・怖い）
そう、当時の総資産が40ミリオンドル、4000万ドルと書いております。ドル＝100円として計算すると40億円？
（すみません、ある一定の桁以上になると頭がパニックになってわからなくなるので、この計算、信じないでください）
多いのか少ないのかも実感の湧かない数字ですが・・。
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さて、僕の気になっていることはハワイのプランテーションの歴史におけるクアロア耕地の位置づけです。確かに砂糖キビ産業の初期の段階に始まったものであり、宣教師、土地の割譲などともあいまって非常に興味あるところなのですが、上記に書いたとおり短命に終わった運営期間から、歴史上における位置づけがもう一つ不明確でした。（日系移民の歴史においても、移民流入が本格化する以前の1871年に砂糖キビ耕地としての役割を終えていますからこの耕地の名前が挙がってくることがマレであるように思います。ただ、確かに日本人の労働者が居たことは確かだと思っています）
最近になって「Honolulu Stories」と一緒にMutual Publishingから購入した本に「SUGAR ISLANDS」が有ります。数ページを読んで、ああ、もっと早く購入すべきであったと後悔しました。
著者はWilliam Dorrance、Francis S. Morganの連名になっていますが、後者が先のモーガン家の一員なんですね。クアロア・ランチのなかで育ち、遊んだ経験の持ち主なんです。彼は本書のなかで各章の冒頭に登場、思い出話などで読者を歴史のなかに案内していく役割を果たしています。
でも、不思議でしょ。なんせ、早々に砂糖キビから手を引いた一家ではないですか。プランテーションについて語る資格はあるのかって。いや、それが、有るんですね。彼はTheo Daviesで砂糖キビ事業に参画、農産物部門の副社長にまでなります。砂糖産業に忠実な彼は1984年にHamakua Sugar Companyを買収、逆境のなか維持に力を注ぐのですが、ハワイにおける砂糖産業衰退の波には逆らえず、1993年には事業をたたむこととなりました。つまり、彼の家はハワイ砂糖キビ産業の最初期から終焉の時期まで、俯瞰できる位置にあったわけです。
次回、ジャッド家とハワイの砂糖キビプランテーションについて語るとき、本書の内容をうまく咀嚼出来ればよいのですが・・。
最後に、モーガン家当主、ジョン・モーガンの登場するニュース映像をご紹介して終わりに・・・
